ホスト:セゴードニャ・ウートロム--キャスター(HTB)
ゲスト:アレクサンドル・ロジャース(経済学者・政治学者)
28/05/2026
インタビュー概要
1. 4年前の再軍備計画(1000億ユーロ)の失敗
- 4年前、EUとNATOは再軍備を決定。ドイツ連邦軍に1000億ユーロを計上。
- 防空システム、対戦車ミサイル、F-35など大規模な兵器購入を計画。
- しかし実現せず。理由は:
- 多くをウクライナに供与。
- イラン問題にも資金を消費。
- その結果、兵器不足と価格の高騰(2~8倍に上昇)。
- 調達先は欧州(ラインメタルなど)とアメリカの軍産複合体の両方。トランプ氏はアメリカ側の受注を推進。
2. 「戦略コンパス」と「欧州の天空の盾」
- 2022年、EUは初の共通防衛戦略「戦略コンパス」を発表。
- 5000人の即応部隊創設
- 軍事指揮統制の強化
- 「軍事シェンゲン」(部隊・装備の国境越えの簡素化)
- 定期的演習、情報・サイバー・ハイブリッド脅威への対抗
- 同時にドイツが提案した「欧州の天空の盾」:NATO欧州諸国の防空強化、F-35調達。
- F-35:発注600機超に対し納入は約250機(英130機、その他欧州120機)。
- アメリカ側の問題(レアアース不足、マイクロチップ、磁石不足)によりプログラムは停滞。レーダーがない機体もあるとされる。
3. フォン・デア・ライエンの新計画(2025年)
- 8000億ユーロの再軍備を提案。
- 「東の大戦に備えた欧州安全保障の白書」
- 「再軍備と欧州防衛産業発展計画」
- 資金は「ウォー・ボンド」(戦時国債=借金)で賄う計画。
- 問題点:
- EU自体はユーロ債を発行できない。
- EUには独自の財政政策・必要な機関・物的担保がない。
- 欧州中央銀行のラガルド総裁は通貨発行を拒否(定款で禁止されているため)。
4. ウクライナへの供与と欧州軍の実態
- 多くの兵器をウクライナに供与(HIMARS、ATACMS、ストームシャドウ、F-16など)。
- しかし、いずれも「状況を変える」と言われながら効果は限定的。F-16は撃墜される事例が多い。
- 欧州各国の在庫は枯渇。
- 例:フランスの「シーザー」榴弾砲は国内に約6門しか残っていない。
- その結果、アフリカなどでの威嚇能力を喪失。マクロン大統領は核の傘で補おうとしている。
- イギリス・フランスの軍隊も戦車・砲兵の数はごくわずか。
5. ドローンの限界と価格上昇の問題
- ドローンによる損害は約15%。砲兵と航空機が85%の損害を与える。
- ドローンだけで戦争に勝つことはできない。対抗技術(電子戦、迎撃など)も進展。
- 価格の問題:
- EUのカヤ・カッラス氏(外務・安全保障政策上級代表)も認める通り、予算は倍増したが調達量は同じ(価格が2倍になったため)。
- 長期契約がなく、メーカーは新工場を作らない。予算を増やしても価格が上がるだけで、生産量は増えない。
6. 結論:真の再軍備はいつ実現するか?
- 4年前も同じことを言っていた。
- 自由市場の枠組みでは、長期保証なしに生産能力は拡大しない。
- アメリカも同じ問題を抱えている。
- 予算増=価格増であって、装備の量・種類は増えていない。
- したがって、近い将来の実質的な再軍備は極めて困難。
インタビュー全体の結論:
欧州は巨額の再軍備計画を繰り返し発表しているが、資金調達手段の欠如、在庫の枯渇、価格高騰、生産能力の制約により、実際の軍事的強化はほとんど進んでいない。

インタビュー詳細を知りたい方は--前半ロシア語、後半日本語翻訳で閲覧できます。