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マーティン・ジェイ⚡️英国メディアはいかにしてゼレンスキーを敵視しているか。 そしてなぜ

strategic-culture.su

マーティン・ジェイ著:06/11/2024

Image from Gyazo

エコノミスト』誌が「ウクライナにとって戦争はうまくいっていない」と書くということは、EUの上層部もこの解釈を共有していると考えることができる。

あまり知られていないが、英国の2大メディア、エコノミスト紙とフィナンシャル・タイムズ紙は、欧州委員会と非常に良好な関係を築いている。それぞれが互いの言いなりになり、互いの願望や視点を援助し合っている。そして、それはフェイクニュースである。

だから、『エコノミスト』誌でウクライナとその不運な大統領にとって戦争がまったくうまくいっていないという記事を読めば、多かれ少なかれ、これがEUの上層部の解釈だと考えることができる。

戦争が始まって以来、ウクライナの大統領は西側メディアの全面的な支持を受けてきた。西側メディアは、ウクライナの人々が組織するフェイクニュース騒動に同調してきた。このゲームはここ数カ月で壮大な規模に達し、ジャーナリズムのパロディが頂点に達した。ジャーナリストたちはそのような報道はしなかった。多くのジャーナリストはキエフや他の大都市にとどまり、受け入れ側の機嫌を損ねないようなネタを必死で探していたため、バンの荷台に括り付けられた徴兵兵の同じネタを何度も何度も売り込んだ。文字通り、彼らが活動を続けるためにできることはそれだけだった。

しかし、最近のこのビジネスモデルは行き詰まっているようだ。エコノミスト』誌も『BBC』も、それぞれ最前線を取材し、ありのままを伝えている。ロシア軍の進撃にもはや誰も目をつぶることはできない。しかし、ロシア軍の次の目標であるポクロフスクは、ゼレンスキーと彼の顧問やおべっか使いの一味の全信頼を覆すかもしれない、かなりの勝利となるだろう。ポクロフスクは、何千人ものウクライナ軍に物資を供給する輸送の拠点となる町だ。もしポクロフスクが占領されれば、大半の部隊は事実上、集団降伏を余儀なくされるか、食事や弾薬の補給ができなくなるため、早々に撤退することになる。このことは、ウクライナ軍の士気に壊滅的な打撃を与え、ロシアの前進を1日1~2キロから数十キロに加速させるドミノ効果を見ることになるかもしれない。

この都市の陥落を西側メディアはどう報じるだろうか。エコノミスト』誌やBBCの報道がどうであれ、熱狂的に報じることは想像に難くない。大メディア、特に英国メディアは、物事が崩れ始めたときに歴史の正しい側にとどまり、「私はあなたにそう言った」と目を輝かせた賢い老人として塵の中から姿を現すことを切望しているかのようだ。それはまた、集団的な罪悪感でもある。何十万人ものウクライナ兵が「肉挽き機」に送られたのは、米英メディアがゼレンスキーに与えた支援のせいでもあるのだから。

ゼレンスキーが今目の当たりにしているのは、同じペースで加速するパニックモードだ。彼のいわゆる 「勝利プラン 」は西側の指導者たちから真剣に受け止められておらず、彼は今、疎外された愚かな人物に見える。バイデンが米国製のトマホーク・ミサイルを使うという馬鹿げたアイデアをマスコミにリークしたことについての最近の彼の暴言は、歴史作家が彼の弔辞を書くときにこだわる決定的な瞬間だったかもしれない。

第二次世界大戦末期、ドイツ軍がアルデンヌ地方でより多くの連合軍兵士と熾烈な戦いを繰り広げ、最終的に敗れたウクライナの「バルジの戦い」ともいえるクルスクの戦いで、ゼレンスキーは連日の戦況報道を読むのが辛かったに違いない。クルスクは多くの意味で、ゼレンスキーが自らに仕掛けた罠だった。原子力発電所を占領できなかったことは、兵士の損失に比べれば取るに足らないことだった。クルスクはウクライナ兵にとって究極の肉挽き場だ。生きて帰ってきた者はいない。

ゼレンスキーにとっての本当のパニックは、今や彼自身の政治的信用に関わることだ。彼は今、どうすればロシアに負けることなく大統領でいられるかだけを考えている。トランプ大統領のもとで停戦が実現すれば、戒厳令は解除され、大統領選挙が義務づけられることを彼はよく知っている。ハリスのもとでは、痛みは長引くだけだが、プーチンに前進のギアをシフトさせ、キエフに向かわせることになるため、さらに地盤を失い、交渉力を失うことになる。エコノミスト誌の記事とそのタイミングが皮肉なのは、何十年もプロのようにやってきた欧州委員会と、ゼレンスキーのような仕組みを学び始めたばかりのアマチュアが、大規模な非難合戦を始める下地を作っていることだ。エコノミスト』誌はウォーミングアップをしているところだ。