アンドレイ・マルティアノフ著:18/05/2025
ドナルド・トランプ米大統領(当時)が「ロシアの戦車は5時間でキエフ(キーウ)に到達できた」と発言したことについて、軍事的現実と乖離した発言であると批判的に解説しています。
記事の要旨は以下の通りです。
- トランプ氏は「ロシア軍が5時間でキーウに到達できた」と述べましたが、著者はこの発言を「地理や装甲部隊の行軍について非常に独特な理解」と皮肉っています。
- 実際、スムイ(ウクライナ北東部の国境都市)からキーウまでの直線距離は約300kmです。仮に装甲部隊が休みなく走行したとしても、現実的な平均速度は時速25〜30km程度が限界であり、理論上でも10時間はかかる計算になります。
- さらに、これは「理論値」にすぎず、実際の戦場では道路状況、敵の抵抗、補給、機材の消耗など多くの要素が加わり、より時間がかかるのが現実です。第二次世界大戦時のソ連軍の装甲部隊でも、100km以上の行軍で3分の1の戦車を失った事例がありました。
- ロシア軍の作戦ドクトリンや部隊運用も紹介しつつ、「キーウのような人口約300万人の都市を占領する意図はロシアにはない。アメリカの将軍や旧ドイツ軍の“おとぎ話”を信じる者だけがそう考える」としています。
- また、最近の戦況については、ロシア軍がウクライナ東部で局地的な前進を続けているものの、キーウ方面での大規模な地上作戦や進撃の兆候は見られません。
要するに、トランプ氏の「5時間でキーウ到達」発言は軍事的現実から大きく乖離しており、実際の戦場や軍事作戦の複雑さを無視したものだと、著者は厳しく批判しています。現状でもロシア軍がキーウへ大規模進撃する動きは確認されていません。
