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マーティン・ジェイ⚡️国際司法裁判所(ICJ)の裁定は、象徴的なものである。しかし、次に何が起こるかが重要だ

ICJ Ruling Should Be Seen for What It Is: Symbolic. But What Happens Next Is Critical — Strategic Culture

マーティン・ジェイ著:30/01/2024

この判決は、アメリカとイスラエル両国がどれほど絶望的になっているかにスポットライトを当てた。

Image from Gyazo

国連パレスチナ難民救済事業(UNRWA)の援助を削減したジョー・バイデンが、次にどのようなカードを切るのか。

ハーグで開かれた国際司法裁判所(ICJ)の裁定は、イスラエルによるガザでの大量虐殺にたいする判断を迅速に下したもので、多くの人々にとって非現実的なものだった。しかし、世界中からの解釈では、裁判所の結論は明白なものであったにもかかわらず、裁判所とその判決の妥当性を判断する唯一の本当の方法は、その影響力である。

たとえば、なぜ裁判所は「ジェノサイド」という言葉を使わなかったのか、また、なぜ全面停戦を呼びかけるにとどまったのか。

法廷が完全に独立していると信じるほどナイーブな人々にとって、米国が国連安全保障理事会のいかなる決定にも拒否権を発動するという決定は、心を落ち着かせるものだろう。しかし、この判決を根拠に、他の国々がイスラエルに対して、単に法的なものだけでなく、さまざまな行動を起こすかもしれない。

アメリカ人は判決当日に、裁判所はイスラエルが大量虐殺を行ったとは裁定していない、とすぐに指摘した。つまり、定義によれば、イスラエルは大量虐殺を行っていないのだ。ギャングの間で流行しているこの考え方が、本当に重要なことであり、正義を求める人々がこれから取り組まなければならないことなのだ。

しかしこの判決は、アメリカ人とイスラエル人の双方がどれほど自暴自棄になっているかにスポットライトを当てるものであった。

UNRWAイスラエルだけでなく、レバノン、シリア、ヨルダンなどのパレスチナ人の面倒を見る国連機関である。バイデン政権が、食糧援助にさえ頼る何千人ものパレスチナ人にとって最後の命綱であるこの機関への資金援助を全面的に引き上げるというのは、絶望的で、哀れで、卑劣なことだ。この演出が何を意図しているのか疑問に思う人は、BBCのニュースを見ればいい。かつては立派だったこの国際放送局が、いかにアメリカの覇権主義プロパガンダ・チャンネルになっているかを知ることができる。バイデン政権がなぜこの決定を下したかについては8分、判決そのものについてはわずか2、3分だった。

アメリカとイスラエルはいまだにメディア戦争を続けている。西側の巨大メディアはすべてイスラエルを完全に支持していることをほとんどのアナリストが認めているにもかかわらず、彼らにとっては死馬に油を注ぐようなものだろう。

イスラエルは明らかに書類を用意し、パレスチナの囚人を拷問して、UNRWA職員が10月7日のテロに加担したというストーリーをでっち上げ、血で署名した自白をさせた。恥ずべきことに、アメリカでもイギリスでも、どんな法廷でも通用しないこの「証拠」は、バイデンが計画を進めるために必要なものであった。

国連パレスチナ難民救済事業機関UNRWA)の姑息なやり方にはほとほと呆れる。バイデンは、メディアと戦い、議論をコントロールするという名目で、何千人もの市民を殺害する役割を喜んで果たすアメリカ大統領として描かれている。ハマスが赤ん坊を斬首し、イスラエル人女性がレイプされたとイスラエルが主張することでガザ・キャンペーンが始まったという皮肉に注目するコメンテーターもいるに違いない。

しかし、この判決はイスラエルにとって世界中に衝撃を与えるだろう。確かに、裁判所と良好な協力関係にある国連総会を構成する国々の大半は、安全保障理事会での米国の拒否権について黙ってはいないだろう。商品のボイコットは、イスラエルの商品、ビザ、さらには国際的なイベントへの参加に対する公式な制裁にまで拡大するかもしれない。しかし、ネタニヤフ首相にとって、これは名誉なことではない。ネタニヤフ首相は、この判決が自国での評価をさらに下げるだけだとわかっている。これは世界的な締め付けのきっかけとなるピストルであり、経済が落ち込み、生活が厳しくなるにつれて、謙虚なイスラエル国民に影響を与えるだろう。バイデンはもちろん、この判決を利用してビビに停戦を呼びかけることができるだろう。もちろん、寝ぼけたジョーが本当に停戦を望んでいるのか、はたまたハッタリをかますだけなのか、自分のジャーナリストを使ってこのごまかしを手伝っているのだという報道を信じればの話だが。