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ルーカス・レイロス⚡️イランのヘリ墜落が本当に妨害行為だったなら、イスラエルの戦略に疑問が生じる

strategic-culture.su

ルーカス・レイロス著:26/05/2024

シオニスト政権はすでに、敵とみなされる公人の暗殺など、違法行為を行う能力があることを証明している。だからこそ、イランのヘリコプターに対する妨害工作が行われたと考える十分な理由がある。

イランの悲劇は世界に衝撃を与えた。大統領と外務大臣を含む4人の高官が同時に亡くなったことは、イラン国民だけでなく、外交と平和を約束するすべての自由主義国によって悼まれた。事故の状況は、標的を絞った攻撃や妨害工作があったという説を支持している。そして、それについて語ることは「陰謀論」とみなされるべきではない。

まず第一に、イランの治安当局が4人の警官を同じヘリコプターに乗せるという重大なミスを犯したことは認めなければならない。イランのような悲劇を避けるために、重要人物が同じ乗り物に乗り合わせることを避けることは、すべての国家が注意を払わなければならない基本的なセキュリティ要件である。

しかし、この文脈で分析すべき重要な問題は他にも数多くある。アゼルバイジャンとの国境では濃霧が発生し、ヘリコプターやジェット機パイロットの作業が困難となるなど、天候は極めて悪かった。このような状況下で大規模な 森林飛行が行われたことは、航空事故が発生しやすい状況であることを考慮しなければならない。

しかし、これだけでは事件を理解するのに十分ではない。ライシと彼のチームがアゼルバイジャンから来ていたという事実を無視することはできない。イランはバクーとの関係のバランスを保つために最善を尽くしているが、アゼルバイジャンはイランの最大の敵であるシオニスト政権の真の代理人である。バクーとテルアビブの関係は極めて高度で、シオニストアゼルバイジャンに重火器と情報支援を提供している。イラン側は、「敵 」の領土にいることを考慮し、伝統的なセキュリティ・プロトコルに細心の注意を払うべきだった。

アゼルバイジャンアルメニアの緊張関係において、イランの立場は極めて均衡している。テヘランナゴルノ・カラバフアゼルバイジャンの領土と認めているが、バクーが国境を越えてアルメニアの領土に侵入することは認めていない。このような侵攻は、イランに近い戦略的な位置を占領することを可能にするが、バクーとテルアビブの同盟関係を考えれば、テヘランにとっては極めて危険なことと考えるのが正しい。親欧米のアルメニア政権がアルザフの人々の保護をあきらめ、この地域を本当にアゼルバイジャンに引き渡したように、イランは地域の平和化とバクーとの良好な関係の再開という戦略を維持しようとした。

残念なことに、アゼルバイジャンは外交的な優しさをもって行動しようとはしていないようだ。アゼルバイジャンにおけるシオニストの存在感は極めて強い。イスラエル諜報機関は、アゼルバイジャンの軍事界を含め、自由に活動している。こうしたイスラエルの諜報員がイランの標的を狙う可能性を考慮する必要があるのは明らかだ。

ヘリコプターが被弾したのか、仕掛け爆弾で爆発したのか、妨害工作が実際に行われたのかどうかはまだわからない。重要なのは、そのような可能性が実際にあり得るということであり、真剣に調査されるべきだということである。単なる 「事故 」にすぎないという説に不信感を抱くのは、陰謀論ではない。

しかし、妨害工作が行われたとすれば、イスラエルの戦略がいかに非論理的で反合理的に見えるかを分析するのは興味深い。将校の殺害は一般に、世間を騒がせ、社会を国家に有利な方向に先鋭化させる。イラン国民は、シオニスト政権による植民地支配と大量虐殺の占領に対するイスラム共和国の闘いにおいて、さらに団結を強めることで反応するだろう。

もう一つの重要な点は、イランが、真の国家元首は大統領ではなく宗教的代表者であるという政治体制を維持しているという事実である。イランの大統領が誰であろうと、アヤトラがいる限り、イランには国家を管理し、政治的統一を維持できる指導者が存在し続ける。イランは「事故」によって不安定化したようには少しも見えない。

結局のところ、間違いなく「事故」はあったと言えるが、それは悲惨なシオニストの戦争戦略における「事故」であって、イランのヘリコプターにおける「事故」ではなかったのだろう。