ヴィノッド・ドゥーザ著:15/06/2024
世界的な大手銀行HSBCは、米ドルの将来を予測し、米ドルがいつまで世界の基軸通貨であり続けられるかを予想した。この予測は、BRICS同盟が米ドルを世界の基軸通貨の地位から引きずりおろそうとしている時に発表された。
BRICSが米ドルを貿易から切り離した場合、アメリカの多くのセクターにどのような影響が及ぶかは、こちらをお読みいただきたい。発展途上国が米ドルをターゲットにしているため、自国通貨による米ドルへの脅威は依然として高い。
BRICS: HSBCが米ドルの展望を予測
HSBC証券のチーフ・コモディティ・アナリスト、ジェームズ・スティール氏は、米ドルがBRICSの嵐に打ち勝つだろうとの見方を崩していない。スティール氏はブルームバーグのインタビューに答え、米ドルは外貨準備高が一時的に減少した以外、大きな問題に直面していないと語った。BRICSをはじめとする発展途上国の中央銀行は、米ドルを捨て、外貨準備を多様化している。
米国がウクライナ侵攻を理由にBRICS加盟国のロシアに制裁を迫った後、中央銀行は2022年以降、金を大量に蓄えている。HSBCのアナリストは、BRICSが金を蓄えても米ドルの見通しに影響はないと説明。同氏は、米ドルは20年後も支配的な通貨であり続けると強調した。
「今後10年、20年、世界の基軸通貨としての米ドルの主権が失われることはないと考えている。
結論として、HSBCは20~30年後も米ドルが事実上の通貨であると予測している。BRICSの脱ドル政策は、自国通貨が米ドルに勝てる見込みがないため、失敗する可能性がある。