マイケル・グラロン著:27/06/2024
BRICS経済同盟は2024年、脱ドルという強い使命を果たした。5つの創設国と新たに加盟した国々が率いるBRICSは、米ドルを世界の基軸通貨から脱却させることを強く望んでいる。同盟はこの目標を達成するために複数の産業や資源に目を向けており、それらの分野はこれまでうまく機能してきた。
米国の制裁を克服し、収入を増やすための主要な戦術のひとつが石油産業である。昨年の大半、BRICS経済同盟はその地位を確立し続けてきた。具体的には、BRICSは多極化した世界を構築したいという願望と能力を確認した。さらにここ数カ月、BRICSは一貫して、その関連性と存在感を高める新たな方法を模索してきた。
加えて、BRICS圏は金への関心を高め、さらなる投資を行っている。この貴金属は、同ブロックの発展途上の通貨を支えるものとして大きく期待されている。この同盟は、金本位制に戻し、すべての貿易と取引において多極化した世界を維持することを目指している。
BRICSは金と石油を使って米ドルを破壊しようとしている
さらに、中国はBRICS全体の中で最大の金投資国である。ワールド・ゴールド・カウンシルは、中国が他のBRICS諸国に対し、米ドルではなく貴金属を準備金として購入するよう促していると報告している。中国は過去18ヶ月だけで5610億ドル相当の金を300トン以上蓄積している。
金の蓄積と石油生産における彼らの努力により、BRICSの脱ドル努力は今年うまくいっている。他の世界通貨に比べ、米ドルの価値と威信は弱まっている。BRICSの数が増え、関心も高まるにつれ、世界各国はグリーンバック以外の新たな世界基軸スーパー通貨への切り替えに乗り出している。
BRICSやその他の国々がドルの使用を止めれば、アメリカ経済はハイパーインフレの段階に達する可能性がある。国全体の賃金が低迷する一方で、生活必需品の価格は暴落する可能性がある。企業がコスト削減策に走るため、相次ぐ人員削減も否定できない。
米国とロシア、中国、その他のBRICS諸国との戦いはすぐには止まらず、米ドルとBRICSはしばらく一進一退の攻防を繰り広げるだろう。