ヴィノッド・ドゥーザ著:07/06/2024
BRICSのメンバーであるロシアは、過去2年間で45億ドルの米国債を投棄した。米国が2022年2月、ウクライナ侵攻を理由にロシアに制裁を科した後、中央銀行は3000万ドル相当の債券を売却した。2022年の投売りは始まりに過ぎず、同国は市場で着実に米国債を売却している。
最新のデータによると、BRICSメンバーのロシアは2年間で合計45億ドルの米国債を売却した。この売り浴びせは、脱ドル、米国経済との関係断絶というBRICSのアジェンダに沿ったものだ。発展途上国がアメリカ経済から距離を置き始めれば、この動きは米ドルへの圧力となる。
BRICSが貿易のために債券やドルを捨てた場合、アメリカの多くのセクターにどのような影響が及ぶかは、こちらをお読みいただきたい。BRICSが貿易のために債券やドルを捨てれば、アメリカ国内の多くのセクターに影響が及ぶ。その結果、アメリカではハイパーインフレが起こり、生活必需品の価格が高騰する可能性がある。米国経済は赤字国債を通じて海外からの投資を必要としている。
米国債を手放しているのはBRICSメンバーのロシアだけではない。中国が米国債の売却でトップに立ち、過去7ヶ月だけで約740億ドルを売却している。共産主義国家である中国は、過去24ヶ月間米ドルを売却した後、準備金として金を蓄えている。
BRICS諸国である中国の中央銀行(PBOC)は、2022年以降、米国債ではなく貴金属の最大の買い手となっている、とワールド・ゴールド・カウンシルは報告している。全体として、BRICS圏は2年間、機関投資家ファンドや世界の個人投資家を凌ぐ金のトップ購入者となっている。BRICSは新しいBRICS通貨を金で裏付けするのではないかという憶測が飛び交っていた。しかし、BRICS通貨はまだ具体化していないため、そのようなことは確認されていない。