locom2 diary

少数意見こそが真実を伝えている。個性派揃いの海外ブロガーたちの記事を紹介。

プリゴジンの謎⚡️ スティーブン・ブライエン

The Prigozhin Enigma - by Stephen Bryen

ティーブン・ブライエン著:20/07/2023

私の読者の一人が、私がプリゴジンについて間違っていると指摘しました。

私は、プリゴジンはもはやワーグナーのリーダーではなく、脇に追いやられ、行方不明になっていると主張していました。

しかし、プリゴジンベラルーシで現れたというニュース報道が正しいとすれば、私は正しくありませんでした。

Image from Gyazo

2023年7月14日金曜日、ベラルーシ国防省がVoenTVを通じて公開したビデオから撮影されたこの写真では、ベラルーシミンスクの南東約90キロ(約55マイル)にあるツェル村近くのワグナー民間軍事会社の傭兵戦闘員による訓練に参加するベラルーシ兵士ら

ロシアの公式報道機関はこの件に関してまったく沈黙しているため、我々が頼りにしているのは、プリゴジンが語ったとされる短い声明と、プリゴジンがワグネル軍を歓迎している非常にあいまいなビデオである。 おそらく、ベラルーシに到着したこれらの部隊は、先週ロシアから移動した大規模な車列の一部だろう。 私は、プリゴジンの声明とビデオが本物であり、プリゴジンベラルーシのワグナー軍の指揮官に戻ったと仮定している。 一時は裏切り者と見なされていた男が、今はまた仕事に戻っている。 ベラルーシ当局が、ウクライナのロシア軍を分裂させるためにポーランドが国境で攻撃を開始することを強く懸念しているからだ。ワグナー軍がベラルーシに駐留することで、ポーランドの攻撃を牽制しているようだ。 私の親友であるラリー・ジョンソンは、プリゴジン事件は仕組まれたものであり、プーチンとGRU(ロシアの軍事情報機関)が協力して、ロシアに干渉する西側情報機関を暴露し、不誠実な軍指導者を特定したという意見を持っている。 この主張は、すでに16人ものロシア軍指導者が粛清されたという未確認の話と合致する。 ロシアを相手にする場合、常に何が本物で何が偽物かを見極めなければならない。 ロシアではこれをマトリョーシカと呼ぶことがあるが、これは有名なマトリョーシカ人形にちなんでいる。 私は昔、エリツィンがロシアの大統領だったときに手に入れたものを保管している。

Image from Gyazo

A matryoshka doll from the Gorbachev era

陰謀説の問題は、それがプーチンにとって非常にリスキーだったということだ。 まだ多くの疑問がある。 なぜプーチンベラルーシの友人であるアレクサンドル・ルカシェンコに手を差し伸べ、プリゴジンとの取引を仲介させたのか? それとも、ルカシェンコが実際にプリゴージンに接触し、プーチンを巻き込んだのか? なぜプーチンプリゴジンと取引をしたのだろうか?クーデター作戦を中止させる一方で、プリゴジンを強力で危険な立場に残したのだろうか? 同様に、なぜプーチンは取引が成立した後、それを反乱だ、裏切り者だと言い、プリゴジンベラルーシで活動を再開すれば、また方針を転換したのか? 軍がプリゴジンを阻止するためにモスクワに軍を派遣しなかったのはなぜか? 実際、モスクワを救ったのはFSB、警察、そしてチェチェンの部隊だった。 ルカシェンコが仲介した取引の後、ロシア当局はプリゴジンの持ち株を取り締まり始めた。サンクトペテルブルクにある彼の邸宅への襲撃は、彼の信用を失墜させるために撮影され、ロシア国内で放送された。 同時に、プリゴージンのソーシャル・ネットワークも当局に乗っ取られたとされる。 プリゴジンはロシア軍との数十億ドル規模の食糧・糧食契約を失った。 プリゴージンのロシア国外での活動、特にアフリカでの活動は、ロシア軍の正規要員に取って代わられようとしていると報じられた(中央アフリカ共和国の指導者らから強い不満が出た)。

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変装したプリゴジンの邸宅から撮影された画像(FSB公開)

モスクワはアフリカでのワグナー軍の交代を撤回した。つい最近、ワグナーの人員の "正常な "ローテーションが行われた。 誰が実際にワグナーを支配しているのかも、まったく明らかになっていない。 プーチンアンドレイ・トロシェフ(グレイヘア)をワグナーのトップに選んだ。 トロシェフはロシアとウクライナだけでなく、ベラルーシのワグネル部隊の責任者なのだろうか? 答えは、わからない。 もしトロシェフが責任者で、プリゴージンがベラルーシにいるとしたら、彼の役割は何なのか? もし報道が正確なら、プリゴジンは現在ベラルーシでワグネル軍の総指揮を執っているが、それはロシアとウクライナにまで及んでいるのだろうか? そして、"ハルマゲドン "セルゲイ・スロヴィキン将軍の問題もある。 彼が今週プーチンと会うという未確認の噂がある。 スロビキンの問題は、彼がゲラシモフ参謀総長とショイグ国防相を交代させるクーデターを支持したロシア軍指導者と関係があるかどうかだ。 クレムリンがこの件について何を知っているのか、あるいは知らないのかはわからない。 最後に、ウクライナのザフォライズで戦っている第58統合軍の司令官、イワン・ポポフ将軍の解任が明らかになった。 ポポフは人気があり有能な指揮官で、ザフォライズでのウクライナ軍の攻勢を押し返した彼の成功は、彼を英雄にするはずだった。 彼は、"対砲撃戦の欠如、砲兵偵察基地の不在、敵の砲撃による同胞の大量の死傷 "について公然と不満を述べたため、解雇された。

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General Ivan Popov

プリゴジンポポフよりもっとひどいことを言ったが、解雇されることも批判されることも逮捕されることもなかった。 実際、彼が多くの不満を口にしたとき、軍指導部は、弾薬や物資の不足であれ、バフムートで戦うワグナー軍の側面を守ることであれ、いくつかの問題を解決し、支援を提供せざるを得なかった。 (プリゴージンに近い」とされるテレグラム・チャンネルは、ウクライナにおけるワグナーの損害に関する数字を発表した。このチャンネルによると、戦死者の多くはロシアの収容所から集められたものである) 戦争のさなかにポポフが解雇されたのは、ポポフの不満というよりも、誰が信頼に足る人物で誰が信頼に足らない人物かについて、軍指導部が極度に神経質になっていることと関係があるようだ。 第二次世界大戦ジョージ・パットンが負傷兵を平手打ちしたために解任されたことを思い出す。 ノルマンディーの後、パットンが復帰したのは、彼が偉大な軍事指導者であり、その欠点にもかかわらず、部隊から愛され、大胆不敵で有能な指揮官だったからである。 ポポフがどうなるかはわからない。 プーチンにとってどれほど深刻な状況なのかは依然として不明だ。 もしプリゴージンの件が見せかけだとしたら、ウクライナ攻勢の真っ只中に、そんなことで何が得られるというのか。 もちろん、軍が戦争から手を引きたかったのであれば話は別だが、それは勝ち負けではなく、戦争の人的代償があまりに痛かったからだ。 ロシア側の将校の多くがこの紛争で死亡している。 多くの兵士が戦死した。 クレムリンのさまざまな世論調査にもかかわらず、この国の教育を受けたエリートたちの間では、戦争に対する大きな不満が渦巻いているに違いない。 もうひとつの要因は、ほとんど説明されていないが、ロシアのエリート層が西側諸国から切り離され、西側の制裁措置のおかげで海外にある財産を失ったことである。 一方ではこれらの差し押さえ、他方では旅行や銀行業務の制限によって、以前はプーチンから忠誠を報いられていた特別なグループの間に大きな不幸が生じたに違いない。 ウクライナと個人の財産を比べたとき、彼らは当然、個人的な財産があればそれを優先する。 ロシアは常に、政府への忠誠に惜しみなく報いるエリートたちに依存してきた。 もしエリートが離反すれば、プーチンは政権を維持する上で克服不可能な問題に直面することになる。