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欧州選挙ではポピュリスト右派政党が優勢に、新たな世論調査予測⚡️トーマス・ブルック

Populist right-wing parties will dominate in European elections, new polling forecasts

トーマス・ブルック著:24/01/2024

ベルリンを拠点とするシンクタンクは、「欧州議会史上初めて、右派による多数派連合が形成される可能性がある」と予測している。

Image from Gyazo

6 月に実施される欧州議会選挙は、これまでで最も爆発的な選挙になる可能性がある。新たな世論調査では、EU 議会の構成が右派ポピュリスト政党に大きくシフトすることが示唆されている。

欧州外交問題評議会(ECFR)が実施した調査によると、EU議会はかつてないほど分断化され、「守旧派」の中道左派リベラル連合は、現在議事を支配している過半数を維持するのに苦労することになる。

「選挙の主な勝者はポピュリスト右派である。ベルリンを拠点とするシンクタンクは、「主要な勝者は急進右派の『アイデンティティと民主主義(ID)』グループで、40議席を獲得し、ほぼ100人の欧州議会議員を擁する新国会で3番目に大きなグループになると予想している」と予測している。

IDグループは特にフランスで優勢になると予測している。ジョルダン・バルデラが率いる国民議会(Rassemblement National)が所属する同グループは最多得票を獲得し、81議席のうち30議席を占めるだろう。オランダでも同グループが最有力で、31議席のうち10議席を獲得し、先日のオランダ選挙で勝利したゲルト・ウィルダース率いる「自由のための党」(PVV)の成功を引き継ぐことになる。

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一方、中道右派の欧州保守・改革派(ECR)も、イタリアのジョルジア・メローニ首相の政党「イタリアの兄弟(FdI)」の台頭により18議席を獲得すると予想され、ハンガリーの政権党フィデスを含む未公表の国政政党も議席を伸ばす可能性がある。

「ECRとIDグループを合わせると、欧州議会議員の25%を占め、欧州人民党を上回る議席数になると予想される。 欧州外交評議会の報告書は、「ECRとIDを合わせた議席数は欧州人民党(EPP)や社会民主党(S&D)を初めて上回ると予想される」と指摘している。

調査では、EPP、S&D、刷新ヨーロッパのリベラル派からなる「超大連立」は、次期議会で議席を支配するのに苦戦する可能性があるとしている。

シンクタンクは、「欧州議会のグループ内の平均的な投票結束度(各グループが、すべての欧州議会議員をグループの投票指示に従わせることを必ずしも保証できないことを意味する)を考慮すると、これら3つのグループが一緒に投票した場合、54%の議席では過半数を確保するのに十分ではないかもしれない」と書いている。

また、EPP、ECR、IDグループの間で「ポピュリスト右派連合」が形成される可能性があり、それが議席の49%を獲得し、未申告の欧州議会議員の支持を得て議題をコントロールする可能性があるとの見解を示している。

「無所属議員の大半は極右政党の議員である。 つまり、彼らの支持を得れば、欧州議会史上初めて、右派の多数派連合が形成される可能性があるということだ。

さらに、ストラスブールに向かう反EU派議員の数も30%から37%へと大幅に増加する見込みで、EUの現在の方向性に幻滅している有権者の数がますます増えているため、より大きな代表を提供することになる。

欧州外交問題評議会は、この報告書が「2024年の欧州議会選挙で何が問題になっているかについて、欧州の政策立案者たちに警鐘を鳴らす」役割を果たすべきであるとし、議会の構成が劇的に変化すれば、ブリュッセルのグリーン・ディールの次の段階が阻止される可能性があり、移民に対するEUのアプローチ、EU圏の将来の拡大、そして現在揺るぎないウクライナ支援にも影響を及ぼすだろうと警告している。

この投票はまた、今後数年間に予定されている国政選挙の前触れとしての役割も果たしており、そこではポピュリスト右派が、ヨーロッパの大国ドイツを含め、大幅な勢力を伸ばす可能性もある。