The International Affairs:29/09/2024
満船に近いコンテナ船フライング・フィッシュ1。 写真GCaptain
大型コンテナ船による初の北極圏通過が無事終了した。GCaptainによると、全長294メートルのパナマックス船フライング・フィッシュ1は、バルト海のサンクトペテルブルクから中国まで3週間強で航海し、スエズ運河経由の標準的な航海を約2週間短縮した。
この船は香港のEZ Safetrans Logisticsが運航している。
ロシアのノーザン・シー・ルート(北極海航路)を利用した夏季の定期コンテナ輸送は、ほんの10年前には不可能と思われていた。今年、北極海では、北極の近道を経由してロシアと中国の港を結ぶ20近いトランジット航海が予定されている。
20フィートコンテナ換算で4,890個を積載できるこの船は、北極海コンテナ航路の新たなスタンダードとなる。この夏以前は、1,500~2,000個程度のコンテナを積載する小型のボックスキャリアのみが北極海近道を試していた。過去3ヶ月の間に、数隻の大型フィーダー船が、港と中国、アルハンゲリスクとサンクトペテルブルグを結ぶ季節定期航路を確立した。
フライング・フィッシュ1は9月3日にサンクトペテルブルクを出港し、1週間後にノバヤゼムリヤの頂上で北洋航路に入った。その直後、2隻の大型コンテナ船が北極圏で初めて遭遇した。夜間のランデブーは、北極からわずか850海里の海氷のない場所で行われた。
フライング・フィッシュ1号は航路の全長にわたって16ノットの速度を維持することができたが、これは北極海の氷の状態がこの20年間で劇的に変化したことを示している。フライング・フィッシュ1はラプテフ海と東シベリア海を進み、ランゲル島付近の残暑の氷を避けた。
ロシアの北極圏に入ってからわずか6日後の9月17日、この航路から離脱し、砕氷船の支援を必要とせずにアラスカに近いベーリング海峡を通過した。
バルト海から上海までの航路は約8,000海里となり、従来のスエズ運河経由の航路よりも約4,000海里短くなる。現在、紅海の情勢不安のためにほとんどの船舶が南アフリカ周辺を迂回しているため、アジアへの標準ルートにはさらに4,000マイルが追加される。
今のところ、ヨーロッパとアジアを結ぶ北極海航路は夏の3〜4ヶ月間に限られているが、海氷が夏の早い時期に後退し、冬の遅い時期に戻ってくるにつれ、北極海航路に新たなチャンスを求める事業者が増えるに違いない。
サンクトペテルブルクから上海まで、北極圏を効率よく横断するフライング・フィッシュ1の航路。 写真:シップアトラス